BK刈谷vsBF名古屋戦分析:ボールポゼッションごとの結果にこだわることの重要さについて

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2024年10月26日のブルーファルコンvsブレイヴキングス戦の分析結果をまとめました。
なかなか分析結果を記事にまとめる時間が取れず、試合から時間が経ってしまいました、、、。

この試合は見どころが多く、かなり長い記事になっています。
OF傾向やGKデータといったこの試合の特徴を表すデータをもとに、最も重要なポイントであるシュート本数の差が生じた理由、それが試合結果にどのように影響を及ぼしたのかについて説明しています。

長くなってしまっていますが、それぞれについて読んでいただけると、データの面からこの試合をより理解できるかな、と思います。

両チームのOF傾向

予想外にハイスコアな展開になりましたが、これは両チームのOF力の高さがそのままスコアに反映した結果といえます。

両チームのOFについて、プレーごとにシチュエーション別の得点数・本数をレーダーチャートでグラフにしてみました。赤色で示したのがブレイヴキングスのデータ、青色で示したのがブルーファルコンのデータです。
この両チームのOF戦略の傾向の違いがどのように勝敗に影響したのかについて探っていきます。

ブルーファルコンのOF特徴

ディスタンス偏重となったOF

OF全体の傾向といった点では、ブルーファルコンは執拗なまでにディスタンスによる得点を重ねていました。ブレイヴキングスの約2倍となる23本ものディスタンスシュートを打ち、ディスタンスで13得点を記録しています。(13得点/23本 得点率56.5%)

シュート種別をディスタンスのみに絞って選手別の得点率データを確認してみたのですが、得点率が50%を下回っている選手がいませんでした。
得点率が75%となっていた原田選手以外、突出して高い得点率といったわけではありませんが、全選手のディスタンスの得点率が50%以上でというのは指揮官からするとありがたいのかな、と思います。

どのチームであってもこのディスタンスによる得点を防がずにブルーファルコンに勝利するのは難しいでしょう。
実際にわくながHCに敗戦した際のブルーファルコンのディスタンスシュートの決定率はチーム全体で7得点/16本の43.8%とシュート本数自体が少なく、決定率も低くなっていました。
わくながHC戦はバラスケス選手も不在、両バックプレイヤーもこのブレイヴキングス戦に比べると消極的だったので、ディスタンスで得点を稼げなかったのが敗因の一つであったかもしれません。

ブレイヴキングスのOF特徴

バックプレイヤー陣にもう少し大胆さが欲しかった

この試合ではブレイヴキングスのバックプレイヤー陣が慎重になりすぎたのか、はたまたブルーファルコンの立体的なDFの思惑に嵌まってしまったのか、積極性に欠けていたように見えました。

バックプレイヤー陣が慎重になってしまったのだとしたら、やはり昨シーズンのプレーオフにおいて、ディスタンスは7得点/17本と決定率41.2%に抑え込まれたことが脳裏にあるはずなので、仕方ないようにも思えます。

改めてレーダーチャートを見ると、ブルーファルコンがディスタンス偏重といえる結果になっていたのに対し、ブレイヴキングスのOFは、ブレイクスルーやピヴォット、ウイングを織り交ぜてバランスよく攻めているといった特徴があることがわかります。

以下のエリア別のシュート本数、得点数を示したデータからも、ブレイヴキングスの9m外からのシュート本数が少なくなっていた傾向を読み取ることができます。

昨シーズンのブルーファルコンGK、とりわけ中村選手に対してはエースの吉野選手がフリーで打ったディスタンスシュートであっても簡単には得点できないほどのセーブ率となっていたので、この試合で9m外のOFが慎重になるのも無理はないかもしれません。

以前の分析で、ブレイヴキングスの特徴として試合開始や後半開始にいい流れを作ることができるのが強みとして挙げています。

この試合の序盤にその強みを発揮して積極的なOFができていれば、前半にブレイヴキングスがリードして折り返していた可能性は十分にあります。
その理由として、詳細なGKデータは後述のGKデータの項目で解説しますが、試合序盤においてブルーファルコンGK中村選手が不調となる傾向が続いているからです。
今シーズンのGKシュート阻止率のランキングを見ると、この記事を書いている時点で中村選手のシュート阻止率は全体4位につけており、昨年に比べてこの2024-25シーズンの序盤は本調子とは言えない成績になっているように見えます。

ブルーファルコンがわくながHCに敗戦した際も主な敗因として「前半5分から後半5分までの30分間で1本もシュートをセーブできていなかった」というセーブ率の低さを挙げています。

そしてこの試合でも、試合序盤はセーブ率が低くなっていました。
ブレイヴキングスのOFデータを見るともったいないのが、そのGKが低調であった試合序盤の時間帯においてブルーファルコンと比べてシュート本数も少なく、枠外シュートが多くなってしまっていることでした。

この項目では、試合序盤(試合開始~前半20分まで)のデータについて深掘りしていこうと思います。
以下のフィールドシュート詳細データになります。
赤がブレイヴキングス、青がブルーファルコンのデータです。

試合序盤(前半20分まで)のフィールドシュートに関するデータ

ゲーム序盤においてブレイヴキングスの方がシュート本数が少なく、枠外シュートが多くなっていることがわかるかと思います。
※集計の対象外となるPT・エンプティについてはブレイヴキングスが2本、ブルーファルコンが1本と大きな差はありませんでした。

この間のブレイヴキングスのOFデータをレーダーチャートにすると以下の通りになります。
ウイングとターンオーバー以外の得点率が低くなっていることがわかるかと思います。
ディスタンス、ブレイクスルー、ピヴォットのシュートにおいて得点できていない5本はすべて枠外シュートとなっています。

試合開始~前半20分までのデータに絞ったレーダーチャート

後半のクイックスタートの精度が低い

この試合ではシュート数に差が出ており、試合全体のシュート本数を集計すると、ブレイヴキングスの方が6本少なくなっています。

OFのどういったシーンで差が出ているかについて、両チームのフィールドシュート率(そのOF機会がフィールドシュートで終わる確率)のデータを比較すると、ブレイヴキングスのクイックスタートのフィールドシュート率が55.6%と低くなっていることがわかりました。

以上からブレイヴキングスのクイックスタートに注目してデータを深掘りしてみます。

ブレイヴキングスはこの試合で合計9回のOFでクイックスタートによりフィニッシュまで持ち込んでいました。
さらにクイックスタートの回数について時間帯別内訳をみると前半は2回、後半は7回となっており、特に後半クイックスタートを仕掛ける本数が多くなっていることがわかります。

後半に7回仕掛けたクイックスタートのうち、3回ボールロストとなりシュートまで持ち込めず、OF権を失っています。

一方、ブルーファルコンはクイックスタートでフィニッシュまで持ち込むシーンは1本もありませんでした。

GKデータ

次に勝敗を分けたポイントとして注目したのはGK関連のデータになります。赤色がブレイヴキングスGKに関するデータ、青色がブルーファルコンGKに関するデータになっています。
※フィールドシュートのみを集計の対象としています。

GKデータ全般を見ると、両チームともセーブ率が低くなっています。試合を観戦していて、締まりがないゲーム展開であると感じたのはこのあたりに原因がありそうですね。
ではそれぞれのGK関連のデータについて解説します。

ブルーファルコン(=中村選手)のセーブ率データ

試合序盤にセーブ率が低くなる傾向

OFに関するデータの項目でも、試合序盤のブルーファルコンのセーブ率が低いといったポイントに触れていますが、ここではGKデータの項目としてより詳細にデータを見ていこうと思います。
青色で示したブルーファルコンGKのセーブ率のグラフを見るとわかるように、試合開始から前半20分までセーブ率が0%であることがわかるかと思います。

前半20分までの両チームのセーブ率・阻止率を比較したデータが以下の通りとなります。

前半20分時点でのGKデータ
・セーブ率
ブレイヴキングスGK:23.1%
ブルーファルコンGK:28.6%

・阻止率
ブレイヴキングスGK:0.0%
ブルーファルコンGK:30.8%

ここで面白いのは、ブルーファルコンはGKのセーブ率が0%でも阻止率は30.8%とブレイヴキングスを上回っているといった点です。

セーブ率と阻止率の違い

セーブ率とは、枠内に打たれたシュートをGKがセービングした割合、阻止率とは打たれたシュート全体に対して得点させなかった割合となります。
阻止率の得点させなかった本数には枠外シュートも含まれます。

さらにこの試合序盤のセーブ率の低さについてデータを深掘りしてみると、セットOFだけに絞ってみるとブルーファルコンGKは試合開始~後半5分までの実に35分もの間セーブ率が0%となっていました。
それでもやはりブルーファルコンの阻止率の方が高くなっています。

OF種別をセットOFのみに絞って抽出したGKのセーブ率・阻止率データ

「なぜブルーファルコンはセーブ率が低いのに試合を優位に進められるのか」についてデータを見てみるのも面白そうですが、ここでは割愛します。

このブルーファルコンGK(≒中村選手)の試合序盤におけるセーブ率の低さというのはわくながHC戦においても同じ傾向が見られています。

ブレイヴキングスのセーブ率データから

まずはセーブ率全体について見ていきます。

冒頭にある通り、試合を通じてのセーブ率は16.7%、阻止率は25.0%となっています。
ブレイヴキングスは試合中に選手交代を繰り返していたので、選手別にセーブ率を出してみると、以下の通りになります。

ブレイヴキングスの選手別セーブ率

加藤選手
セーブ率:17.4%(4セーブ/23本)
阻止率:20.8%(5阻止/24本)

岡本選手
セーブ率:15.4%(2セーブ/13本)
阻止率:31.3%(5阻止/16本)

加藤選手の方が枠内に来ているシュートをセーブする率は高いのですが、阻止率では岡本選手が上回っています。
この阻止率の差にGKのプレーがどこまで影響を及ぼしているかにもよりますが、チームへの貢献度という意味ではもしかすると出場時間の短い岡本選手の方が高い可能性があります。
このあたりは詳細に検証が必要ですが、勝因・敗因に関わる重要なポイントの一つといえるかと思います。

試合終盤のミドルシュートをセーブできていない

ブレイヴキングスのGKは後半10分~試合終了までの20分間でセーブ率が0%となっている、といった特徴があります。
この時間帯にブルーファルコンが放ったシュート数は13本となっており、そのうちの60%を超える8本ものシュートがディスタンスシュートとなっています。
失点率としては6失点/8本となっており、失点とならなかった2本は枠外シュートでした。つまりこの20分間で枠内に打たれたディスタンスシュートはすべて失点につながっています。

この時間帯は原田選手が9m内に侵入してディスタンスを打つプレーが目立っていた時間帯でした。岡本選手→加藤選手といった形で選手交代をして対応していますが、勢いを止めることができませんでした。

シュート本数の差について探る

勝敗をわけた要因として最も大きなものは「シュート本数の差」になります。
中村選手が不調な時間帯で得点ができなかったこと、これは枠内シュート本数が少なくなってしまっていたことでしょう。
シュート数が少なくなっていた要因の一つとして、ブレイヴキングスのほうが若干ですがボールロスト数が多くなってしまったこともあるでしょう。

小さな差の積み重ねという意味で、試合の流れを掴むことができる時間帯に枠内にシュートを打てなかったことやボールロスト数の差といったポイントの改善も重要となります。

しかしこの試合を通じた傾向として常に見られたのがボールポゼッション単位で見たときの両チームデータの差であったように思われます。

「ボールポゼッション(OF権)ごと」の視点で分析すると見えてくるもの

ブレイヴキングスのDFシーンに着目すると勝敗を分ける要素になっていたと思われるデータが見えてきます。

特に試合開始から前半15分までの間に顕著なのですが、ブルーファルコンにシュートを打たれてもボールポゼッション(OF権)がブレイヴキングスに移らず、ブルーファルコンOFが継続したことで結局失点してしまうケースが多く見られました。

このケースについてもう少しわかりやすく説明すると、ブルーファルコンのシュートを防いでも、何らかの形でブルーファルコンOFが継続し結局得点されてしまう、といったシーンになります。

この試合で多かったのはブルーファルコンのディスタンスをブロックしているのにマイボールにできないといったケースです。これはコントロールするのが難しいケースでもあるので、解決に向けたアプローチを考えるのも難しいところでもあるのですが、結果としてブルーファルコンOFにチャンスを多く与えることになっていました。

プレー単位での集計をすると、前半15分までの間でブルーファルコンの方がOFプレーの数が6回も多くなっています。一方、プレーの精度という視点で分析をするとおなじ前半15分までの間、プレー単位の得点率(得点数/OFプレー回数)のでデータがブレイヴキングスが58.8%、ブルーファルコンが50.0%とブレイヴキングスが上回っています。

この時点でのスコアを見ると10-11とブルーファルコンがリードしています

つまり、前半15分までの展開ではOFのプレー精度はブレイヴキングスが上回っているのにもかかわらず、OFのプレー回数が多いがゆえにブルーファルコンが有利に試合を展開しているのです。

「OFの終わり方」というプレー単位での分析もチームの課題を探すといった点で有益な分析になりますが、試合の勝敗について考える場合には「OF権=ボールポゼッション」といった単位での分析も非常に重要になってきます。

このボールポゼッション単位でのデータについても分析ツールの機能に組み込んでいく予定です。

試合展開とボールロスト数に関するデータ

ハンドボールの試合分析の基本として、やはりボールロスト数の多いチームは勝利するのが難しくなります。
ボールロストの傾向や原因を正確に把握し、対応していくことは勝率を上げていくために重要なアプローチだと考えています。
この試合のボールロストに関するデータから、勝敗に影響したポイントを探ってみましょう。

以下の画像はこの試合のボールロスト数に関するデータになっています。赤がブレイヴキングス、青がブルーファルコンのデータとなっています。

OF種類別のミス率

ミスに関するデータとして、両チームのOF種類別のミス率に関するデータからその特徴を見てみると、以下の画像の赤枠で囲ったデータを見るとわかるように、ブレイヴキングスはクイックスタートを仕掛けた際のミス率が33.3%と高くなっていることがわかります。

ブレイヴキングスのOFデータ解説の項目で試合後半のクイックスタートの得点率が低いことが課題である、としていましたが、ボールロストのデータに注目してみてもやはりクイックスタートのクオリティを見直すべきであることが明らかになりました。

一方のブルーファルコンはすべてのOF種別においてブレイヴキングスよりミス率が低くなっています。
これは昨シーズンの分析からも繰り返し発信していることではあるのですが、ブルーファルコンはとにかくOFにおいて取るべきリスク、取らないリスクをはっきりさせている印象を持っています。

速攻を仕掛けたとしてもシュートに持ち込める可能性が低いと判断すれば無理に速攻の展開でシュートまで持ち込まずセットOFに移行します。
その結果が速攻でのミス率0%という結果につながっているといえます。

このミス率に表れるブルーファルコンOFの特徴は、ブルーファルコンというチームが日本一であり続けている要因の一つであると思っています。

時間帯別のミス数

赤色で示したブレイヴキングスのミスに関するデータを見てみると、前半25分以降、後半10分にかけての時間帯のおよそ15分の間でミス数が集中してしまっていることがわかります。
このミスが重なり始める前半25分までの試合展開を見てみると、11対13とブルーファルコンに2点のリードを許しているもののまだ接戦といえる展開となっていました。

前半25分以降~後半10分までの15分の間にブレイヴキングスOFのボールロストとなるミスが多かったことがどのように得点に影響していたのかについてデータを見ていきましょう。

まずこの15分だけに限定して両チームの得点を見てみると、ブレイヴキングスが5点、ブルーファルコンが11点と、この時間帯で6点も点差をつけられてしまっていることがわかります。

次に試合全体の得点の流れの中でこの時間帯の両チームの得点について見てみましょう。
以下の画像は両チームの時間帯別の得点に関するデータです。
赤がブレイヴキングス、青がブルーファルコンのデータになっています。

折れ線グラフで示した累計得点数を見てもらうとわかるように、前半25分までは接戦といえる展開であったものが、赤枠で囲った箇所を見てもらうとわかるようにブレイヴキングスのOFミスが集中した時間帯で一気に点差が離れてしまっていることがわかります。

ちなみに、この時間帯でブレイヴキングスのボールロスト数は8本となっており、そのうち7本がセットFとなっていました。
試合全体のセットOFのミス率は27.8%(OFミス10/OF回数36)であるにも関わらず、この時間帯に限って見るとセットOFのミス率は50%(OFミス7/OF回数14)と試合全体のミス率と比較して高くなってしまっていることがわかります。

ブレイヴキングスは終盤にかけて徐々に点差を縮めているものの、やはり前半25分以降~後半10分までの間につけられた点差は大きく、最終的には5点差での敗戦という結果になりました。

「ミスが多いと負ける」というのは当たり前のことですが、トップチームの試合展開の中で実際の事例としてこのようにデータで見ると、ミスをしないことの重要性について深く理解できるのではないでしょうか。

ブルーファルコンRBの活躍

この試合ではブルーファルコンの趙 顯章選手が昨シーズンで退団してから初めてのブレイヴキングスとの対戦ということもあり、ライバルとの試合においてこれまで右のエースとしてOFの主軸を担っていた趙選手の大きな穴をどう埋めるのか、RB陣の活躍に注目していました。

結果として、この試合はRBの石嶺・原田コンビが趙選手の穴を補って余りある活躍を見せていました。
石嶺選手、原田選手の2人で10得点、得点率も10得点/15本で66.7%と勝利に貢献しています。

ディスタンス:5得点/8本 62.5%
ブレイクスルー:2得点/3本 66.7%
ウィング:1得点/2本 50.0%
カウンター:2得点/2本 100.0%

ディスタンスを高確率で決めており、ブレイヴキングスとしてはこのRBによる失点が想定外の失点になっていたのではないでしょうか。

石嶺選手と原田選手のディスタンスシュートには大きな違いがあり、石嶺選手のディスタンスシュートは9m外から接触されずに全身を使ったシュートフォームで力強いシュートを打っている(ディスタンス5本すべてが9m外から)のに対し、原田選手のディスタンスシュートは9m内に侵入してスタンディングのクイックモーションを交えDFに捕まる前にシュートを打っている、といった特徴があります。
特に原田選手は右45度の角度の位置からのディスタンスについて9mに侵入してから打ち込んできている傾向(ディスタンス4本中2本)が見られます。

新たにRBを任された石嶺・原田コンビはこの試合において趙選手の穴を補って余りある活躍を見せてたといえるのではないでしょうか。

参考:昨シーズンプレーオフファイナルのRBのデータ

RB:趙 顯章選手・原田選手
得点データ:10得点/15本(66.7%)
→昨シーズンのプレーオフファイナルのデータと今回のブレイヴヴキングス戦での石嶺・原田コンビのこの試合のスコアは全く同じ成績

プレーの質といった点における趙 顯章選手と石嶺選手の違いとして、石嶺選手はセットOFにおいて9m外からのディスタンスを軸として攻めであるのに対して、趙 顯章選手はそのフィジカルを活かしブレイクスルーの割合が多くなっていたことがあります。

選手交代の采配としては趙 顯章選手とのコンビの際と同じように、前半の終盤・後半の終盤になると原田選手が出場してきます。
左利きで身体能力の高い選手を守った後に、前半・後半ともに終盤に右利きで突破力のある原田選手に交代するといった構図となっており、DFからすると利き手のギャップ、プレースタイルのギャップが大きく守りにくいと思います。

今後もDF陣の活躍には注目したいと思います。