JHLがオフシーズンに入ったのでさっそく入力フォーム、集計機能、スタッツの改修を行いました。今回の改修による変更点を紹介します。
入力フォームの改修内容
改修前の分析ツールではDataflagとして2つまでフラグ設定できる機能があったのですが、これをTag(タグ)機能へ変更して1回の入力時にOFで3種類、DFで3種類の計6種類までタグ情報を追加できるように変更しました。
Tagは事前にリストを作成しておくことで自由に設定することができ(1種類につき10個まで)、入力時はプルダウンから選択するのみでデータ入力が可能となっています。
データフラグとタグ機能の最も大きな違いとしては、後々のデータベース化を見据えてOF・DF別にデータを持たせるようにしたことです。それぞれ3種類とした理由はJHLの試合データを入力している中で、特にOFは3つくらいのタグ付けをすると面白い集計ができるな、と感じたためです。
このタグ機能はタグごとにデータを集計して分析することを目的として実装しています。3種類をどう使い分けるかは自由なのでユーザ次第ではありますが、例えば以下のようにタグを設定することができます。
OF Tag1:OFのシチュエーション(7人攻撃、数的有利なOFなど)
OF Tag2:OFプレイヤーのタグ1(CBの選手をタグ付けするなど)
OF Tag3:OFプレイヤーのタグ2(CB以外の選手をタグ付けするなど)
DF Tag1:DFシステム(6:0DF以外はタグをつける、など)
DF Tag2:DFチーム
DF Tag3:DFメモ(DF専門の選手と交代できなかった場合のタグをつける、など)
それぞれのタグをand条件で組み合わせた抽出も可能となっており、分析したプレーをより細かく分類することができるようになりました。例えばプレーオフファイナルの豊田合成ブルーファルコン対トヨタ車体ブレイヴキングスの試合では以下のようなデータ抽出も可能です。
・試合の後半
・豊田合成ブルーファルコンOF
・セットOF
・CBは田中選手
・PVはディエゴ選手
・トヨタ車体のDFシステムが0:6の時
・トヨタ車体のDF2枚目が櫻井選手ではないシーン
→以上のシチュエーションでの豊田合成フィールドシュートのエリア分布、エリア×シュート種別のスタッツ
以前はデータフラグ機能としてOF・DF問わず2つまでしか情報を付与できませんでしたが、タグ機能としてOF・DFごとのデータを付与することで分析対象を細かく分類することが可能となりました。しっかりとタグ付けをするのはリアルタイムでは難しいと思いますので、この機能は時間をかけた分析を行う際に活用することになります。
より自由に、より細かく分析可能となっているので、どう活用するかはユーザの使い方次第で大きく変わってくるかと思います。
※ユーザーフォームについてはプレーオフまでの試合で実際に入力してみて気づいた点などをもとに入力項目も並び替えています。今後もいろいろと試してみてベストな並び順を見つけたいと思います。
集計機能の改修内容
入力したデータのうち、フィルタで選択した情報のみを対象に集計し、スタッツに反映させることが可能になりました。文字だけで説明すると地味な改修に感じられますが、実は今回の改修の中で最も分析ツールとしての機能が向上したポイントになります。
例えば、改修前のツールで「時間帯別のデータを見たい」「GKごとのデータを見たい」といった、試合全体ではなく一部のデータを集計する場合には対象外のデータを一度削除してから再集計をする必要がありました。この点が今回の改修でフィルタ機能により必要な情報を抽出するだけで集計することが可能になりました。
リアルタイムの分析を行う運用を想定して、試合のハーフタイムなど時間的な猶予のないシーンでも必要なデータに早くアクセスすることができるようになったのが大きなメリットです。
またこの新しい集計機能は入力フォームに追加したタグ機能と併せて利用することでより高い効果を発揮します。「CBが○○選手の時のデータだけを抽出する」「前半のCBが○○選手、PVが□□選手が出場しているOFシチュエーションのデータだけを抽出する」といった様々な条件で抽出されたデータに対しても即座に集計し、データを確認することができます。
スタッツのデザイン修正
スタッツのデザインを見直し、データ表示位置の並び替えや数値の追加を行いました。変更箇所は画像内の赤枠で囲んでいる箇所になります。
全体スタッツ
既存の情報そのままで表示位置や文字サイズを変更しました。表示位置を整理して下段のスペースを空けることができたので、空いたスペースを有効活用して表示するデータを追加する予定です。
OF分布図
改修前は図形の大きさのみでフィールドシュート本数、得点数を示していました。今回の改修で赤枠箇所にそれぞれのエリアでの得点数/フィールドシュート本数の数値を追加しました。
OF種別のスタッツ
改修前はエリアごと、シュート種別ごとに細分化されたデータのみ表示していました。今回の改修でシュート種別ごとの小計を追加しています。
これでマイナーアップデートはこれでいったん完了として、集計項目の追加を行いたいと思います。
シーズンオフ中に試合のデータを視覚的に把握できるダッシュボードを追加しようと思います。そのほかにはユーザビリティ向上のための入力フォーム新規作成を計画しています。